有効な防犯アイテムに、「補助錠」があります。
補助錠の基本的な考え方は、1ドア2ロックです。これは防犯上とても大切なことで、基本的な事といえます。
ところが、せっかく補助錠を購入・設置しても、最初の数週間いや数日しか使わない人が多くいます。
「わたしはそんなことはない」と言われるでしょうか。
●毎日の買い物で出かける時
●一時間ほどの外出の時
●子供の送り迎えの時
●忙しい時
防犯対策は、毎日毎日の積み重ねです。
私たちは、全ての窓に1ドア2ロックをよほど強く意識していない限り、ついつい忘れがちになり、やがて「補助錠」は記憶からなくなっていきます。
では、防犯ブザーやセンサーの場合はどうでしょうか。
防犯ブザーの仕組みは、侵入者を感知すると警告音を発してドロボウを威嚇するものです。この防犯グッズの効果は高いものです。ドロボウが気にするものの一つが「音」だからです。大きな音が鳴ると、ドロボウはビックリして逃げていくと期待できます。
しかし、その音にビックリするのはドロボウだけではありません。
なんと!「あなた」も驚くのです。
つまり、防犯ベル・防犯センサーの弱点は、誤作動があるということです。
防犯システムが作動していることを忘れて窓や玄関を開ければ、当然センサーは作動します。防犯システムは、「空き巣犯」と「あなた」を見分けることができませんので、当然大音量が鳴り響きます。
ここに落とし穴があります。
防犯とは、習慣性が重要であるのに、習慣になる前にやめてしまうのです。
つまり、たいていの人はそんな経験を何度かすると、防犯センサーをセットすることが億劫になってしまうのです。何かが習慣化するまでには最低3週間は必要で、その間、その行為に楽しみを感じていないとなかなか継続しないのです。もしそうでなければ、すぐに忘れてしまったり、面倒臭くなっていくのです。
また別の角度から見ると、誤作動のよくあるシステムは段々と信用を失うという落とし穴もあります。
最初のころは近所の人も大きな音がするので「何事か!」と見に来てくれるかもしれません。しかし誤作動と分かると、「ああ、また鳴ってるわね」ぐらいにしか思ってもらえず、肝心な時には助けに来てもらえないのです。
これを私は、「オオカミ少年型防犯」と呼んでいます。
「オオカミだ!オオカミだ!」といつも嘘を言っていた羊飼いの少年が、本物のオオカミに村中の羊を食べられてしまう話。