警備会社のホームセキュリティーは、以前は富裕層向けという印象が強かったのですが、今では比較的若いカップル世帯でもニーズが高まっており、最初から住宅メーカーに標準装備されているケースも増えてきました。
セキュリティーシステムの仕組みの多くは、家にドロボウが侵入を企てたと思われる異常を感知し、警備会社に通報するシステムです。
異常が通報されてから警備員が迅速に駆けつけるのですが、すでに侵入されてから警備員は現場に向かいます。警備会社は、警備業法という法律にのっとって行動します。それによれば、25分以内に現場に駆けつけることが義務付けられています。ほとんどの警備会社が10分から15分で駆けつけるシステムにしているようです。
駆けつけた警備員は異常を確認します。彼らは犯罪に対処する専門的な教育指導を受けています。そして、警備員には現場維持が義務付けられています。
もし、空き巣が家の中に残っていて危険な場合、踏み込みはしません。それは警察官の仕事だからです。
では、警備員は何をするかといえば、まず外回りの確認、次に家への侵入があったか否かを確認・報告、犯人が内部にいる場合は外で監視をします。そして誤報ではなく異常があった場合、警察への通報が義務付けられています。 そこから警察官が駆けつけてきます。
ドロボウの犯行時間は、侵入に1~2分、物色に5分、合計7、8分といわれます。
ですから、警備員、警察官の到着までには犯人たちは逃走している確率は高いのです。
また、誤報が多いこともセキュリティーシステムの弱点のひとつです。
少し古いデーターですが、警視庁防犯総務課の平成4年4月度の報告では、都内の機械警備対象件数66592件における異常通報件数は22574件であり、その中で誤報件数は22405件、実に99.3%で誤報であるという結果が出ています。
最近ではシステムの向上によってずいぶん改善されているようですが、それでも8割以上がいまだに誤報であるようです。
この場合も、やはり「オオカミ少年型防犯」につながっていきます。
時折ニュースで、有名人が空き巣被害にあったことが取り上げられますが、「セキュリティーシステムを切っていたので」というコメントをよく耳します。面倒臭くなってしまう典型かもしれません。
警備会社と契約すれば完璧な防犯対策になるとは限らないという事を覚えておいてください。
むしろ、「他社依存型防犯」の盲点を理解した上で、上手にセキュリティーシステムを利用してください。