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空き巣は下見で何を見るのか?泥棒に狙われやすい家とは?

「最近、近所で空き巣があった。」

「不審者が住宅街をウロウロしていた。」

「インターフォンが鳴ったのに誰も映っていなかった。」

 

そんな事を聞いたり、実際に自分の周りで起きたりすると、

私の家は大丈夫だろうかと、自宅の防犯対策が心配になってきます。

 

空き巣犯は、犯行の前にしっかりと下見をしていると言われています。

 

空き巣犯は、どんな方法で下見をするのでしょうか?

下見で何を見ているのでしょうか?

泥棒が目を付ける家にはどんな特徴があるのでしょうか?

まとめてみました。

 

泥棒は下見で「入りやすく、逃げやすい」家と部屋を品定めしている

泥棒は、思い付きや衝動でいきなり侵入することはありません。

プロの泥棒でも2回、多くて4回ほど下見をするようです。

 

では、下見の時に考えることとは?

 

それは、「何が盗めるか」ではなく、

「入りやすく、逃げやすい家か」です。

 

簡単に入れる家ほど泥棒にとってのリスクが減ることになります。

同時に、犯行後に簡単に逃げられるかも重要な要素です。

 

もちろん、その家にお金や盗めそうな物があるかについても、

ある程度の見立てはします。

しかし、こればっかりは入ってみないと分からない。

 

平成28年の警視庁管轄地区での空き巣件数は2,171件。

その中で最も多い被害額は、1万円~10万円の691件。

1万円未満だったケースも、279件。

そして、侵入されても被害のなかったケースが、399件。

合わせて1,369件。

 

       【平成28年度 空き巣 被害額別・被害件数】

 

侵入したら少しでもたくさん盗りたいはずですが、

空振りだったり手ごたえ不十分だったりするケースが多いのです。

 

つまり、泥棒稼業とは「ローリターン」の仕事なのです。

 

であれば、当然「ローリスク」を好むわけです。

それで、泥棒にとっての下見とは、

「入りやすく、逃げやすい」家と部屋の品定め

ということなのです。

 

そういう観点からみると、必ずしも「金目のものがありそうだから」とか、

「高級車が止まっているから」というのが品定めの要素ではないことが分かります。

 

実際、一人暮らしのアパートばかり狙う犯人もいました。

できる泥棒ほど「ローリスク・ローリターン」で数をこなすわけです。

 

空き巣の下見は、いつから始まっているのか?

犯罪者の犯行への意識というのは、

絶えず「やるぞ、やるぞ」という緊張状態にあるわけではありません。

 

泥棒の下見のスタートは、まず町に対する直感から始まります。

つまり、犯人にとっての「良いイメージ」が描けた時点からということです。

 

その「良いイメージ」を構成する要素としては、

「町が汚れている」「落書きが消されていない」「他人に無関心」

「交番が近くにない」「住民パトロールが手薄」など、

犯人がこれまでに培ってきた経験から感じる直感です。

 

その際に犯人は、ぼんやりとした視点で「町全体」を見ているそうです。

曖昧な意識や態度でいることによって、不審視されることを避けられるようです。

 

その際の服装や格好は当然、不審者に見られないように注意を払っています。

スーツ姿の営業マンや、工事担当者の作業服姿などが多いようです。

中には犬を散歩させていた見慣れないおじいさんが住宅侵入犯だった、

という例も報告されています。

 

不審者には見えない住宅侵入犯があなたの住宅街にも紛れ込んでいる、

ということを覚えておいてください。

 

「入りやすく、逃げやすい」を見極める5つの確認事項とは?

「この町はやり易そうだな。今回はここでやろう」という意識が固まると、

今度はピンポイントで「入りやすく、逃げやすい」家や部屋に狙いを定めていきます。

 

その際に犯人が判断基準にしていることが必然的に、

「泥棒に狙われやすい家の特徴」となる訳です。

 

ではその判断基準とは何でしょうか。大きく分けて5つあります。

その5つの確認事項とは。

  • 人目に付かず身を隠せるか
  • 居住者の防犯意識(警戒心)はどうか
  • 時間をかけなくても侵入できるか
  • 逃げやすい条件が整っているか
  • 確実に留守かどうか

それでは、それぞれを詳しく解説していきたいと思います。

 

プライバシーを意識しすぎた家は狙われる

「お天道様が見ている。誰に見られても恥ずかしくない行動をしなさい。」

大抵の人が昔からそう教えられてきました。

 

しかし「泥棒稼業」とは、誰に見られても恥ずかしくない仕事ではなく、

誰にも見られていない時に行われます。

つまり、犯人にとって人の目に付くことほど困ることはありません

 

ですから犯行時には、人目に付かずに身を隠せる状況を好みます。

その観点からすると、プライバシーを意識しすぎている家は狙われやすい事になります。

高い塀に囲まれている、植栽や植木、物置や車庫など死角があると、

犯人にとっては「入りやすい家」ということになります。

 

それで、自分の家に犯人にとって仕事がしやすい状況がないかどうかを確認してください。

では、確認する時のポイントをお伝えします。

 

「誰かに見られると恥ずかしい時」って何か想像できませんか?

女性の方には分かりにくいかもしれませんが、

男の子を育てた経験のある方ならイメージしやすいかもしれません。

 

そう、子供が突然「おしっこしたい」と言い出した時です。

しかも緊急事態の時。

 

そんな時、人前で堂々と「してきなさい」というお母さんはいないですよね。

ちょっと隠れたところを見つけて「あそこだったら恥ずかしくないから」と、

人目に付かない所で立ち小便させませんでしたか。

 

犯人も同じです。

立ち小便できるほどのスペース、肩ぐらいまでが隠れるスペースです。

全身が隠れなくても問題ありません、犯行時にしゃがむからです。

そんな立ち小便ができる場所、その先に侵入口になる窓やドアがあったら、そこが狙われます。

 

お分かりになったでしょうか。

自分のプライバシーを守ることは、犯人のプライバシーも保護してしまうことになるのです。

 

防犯意識(警戒心)が低いとみなされると、目をつけられる

「この家は警戒心が低い」と、犯人はどのようにして判断しているのでしょうか。

意外に思われるかもしれませんが、その家が「汚れているかどうか」だそうです。

 

町に対する直感の時もそうですが、犯罪者は犯行に及ぶ緊張感から、

「秩序」に極めて敏感に反応するそうです。

 

少し硬い表現ですが、「精神は形に、形は精神に反映する」と言われます。

したがって、その町や家が秩序立って整理されているなら、

そこは秩序だった警戒心の高い町また家だと判断するようです。

 

対照的に、壁に落書きがある、ゴミが散らかっている、放置自転車がある、

家の庭木が手入れされていない、雑草だらけ、花壇も汚いなどの状況は、

家人の心の緩みとみられ、この家は防犯意識が低く入りやすい家だと判断するのです。

 

時間をかけなくても侵入できると判断された家が、狙われる

犯人にとって侵入にかける時間は、短ければ短いほど良いと言えます。

犯人が犯行をあきらめる時間は、約70%が5分以内と答えています。

  

         【空き巣犯が犯行をあきらめる時間】

 

実際に腕の良いドロボウであればある程、短時間で侵入してきます。

 

元泥棒の証言では、侵入に使う時間は「30秒から3分。でも3分って長いですよ」と答えています。

確かに3分と言えばカップ麺の待ち時間です。

侵入に向けた緊張状態にある犯人からしたら、一秒でも早く侵入したいはずです。

 

では、短時間で侵入できると判断される要素とは?

それは、侵入経路のデータから知ることができます。

 

実は、およそ6割の侵入経路が「窓」からとなっています。

                  【空き巣の侵入経路】

 

それで、窓ガラスは泥棒が必ずチェックするポイントの一つです。

昨今、ガラスを割って侵入する手口が主流になっています。

それで「防犯ガラス」または「防犯フィルム」で強化されているか。

クレセント錠はどんなタイプか。補助錠は設置されているか。などの情報は、

泥棒がこの家に侵入し窃盗を働くのに要する時間を教えることになります。

 

経験を積んだ犯人であれば、ほんの一瞬で情報を読み取ります。

 

「逃げにくい家だ」と思った時には諦める

入りやすい家の条件と同じく、侵入者にとって大切なことは、

「逃げやすい」ということです。

侵入したものの出るに出られないでは仕事になりません。

 

それで、逃げやすい道路に面している、通行人が少ない、

近所付き合いが少ないなどの条件を確認します。

車で逃走するために、信号のパターンをいつも考えながら

運転する泥棒もいるようです。

それほど、逃げる時のことには気を使っているのです。

 

警察庁犯罪予防研究室長を務められた清水賢二氏によると、

逃げやすい条件を作る要素は場所、時間、人の3つだそうです。

場所は「人がいない場所」「逃走経路を阻む障害物がない場所」

「視線が通らない場所」などです。

時間は「人気が途切れる時間」「視線が通らない時間」、

は「見ている人」「追いかけてくる人」などがあげられます。

 

犯人が逃げにくい家だと感じるセキュリティーは、「音」で威嚇する対策です。

大音量で警告音が鳴り響くと、当然周囲の注目を集めます。

防犯ブザーや威嚇サイレンなど、「音の防犯」を搭載したホームセキュリティーが

設置されていることが下見中の犯人の目に入ると、

「この家は逃げにくい家だ」と思わせることができます。

 

犯人は、何よりも捕まることを恐れます。

それで、この家は「逃げにくいぞ」と思わせることは防犯の大切な要素なのです。

 

生活パターンを見ることで、確実に留守にしている時間帯を見極める

ここまでくると、犯人は「入りやすく、逃げやすい家」

ターゲットとしてピンポイントで絞ってきます

 

人のいる時間でも侵入してくる泥棒はいます。「忍び込み」(家人が就寝中の犯行)、

「居空き」(家人が食事や家事などの最中)と呼ばれる犯罪です。

 

しかし、侵入盗被害のうち最も多いのは、家人が留守の時に犯行を企てる「空き巣」です。

やはり、人がいない状況のほうが犯人としても仕事がしやすいのでしょう。

 

それで、犯人はターゲットを定めるとその家の生活パターンを観察し、

確実に留守にしていることを確認したうえで犯行に及ぶのです。

 

ではどのようにして留守を確認するのでしょうか。

例えばポストです。

ポストに郵便物が溜まっている家は留守にしている可能性が高いですし、

夜遅くまで夕刊が取れていないと日中は留守にしているというメッセージになります。

 

窓やカーテンの状況も、すべて閉まっていると留守かもしれないと推測させます。

自動車や自転車さらには照明なども泥棒にヒントを与えることになります。

 

また、その家の家族構成も推測した上で全員が留守にしている時間帯を見極めていきます。

公園や駐車場が近くにあると狙われやすいと言われますが、

その理由は家人の生活パターンを怪しまれることなく観察できるからです。

 

集めた情報を忘れないためにマーキングしていく犯人もいます。

ポスト、ガスメーター、ドアなどに不審なマークがついていたら、

それは犯人が付けたマーキングかもしれません。

 

例えば「10.18」と書かれていたらそれは10時から18時まで留守の意味。

「W820」なら女性で8時から20時まで留守のような感じです。

 

そして最終的な留守の確認は、犯行直前のインターフォンです。

インターフォンを押して住人が出てこなければ、確実に留守と考えて空き巣に及ぶのです。

もちろん、万が一住人がインターフォンで出てきたとしても、

訪問販売員を装った言い訳は考えてあるので泥棒にとってはリスクがありません。

 

最後に、侵入方法のデータにも注目してみましょう。

 

          【空き巣の侵入方法】

 

なんと一番多いのは「無締まり」まり鍵のかかっていない侵入口からの侵入なのです。

鍵がかかっていなければ労せずとも侵入できてしまいます。

 

玄関の「鍵をかけずに外出する」って普通なら考えられないですよね。

でも5分程度の外出だとどうでしょうか。ゴミ出し、犬の散歩、ちょっとお隣まで。

確かにそのくらいの時間だと玄関の鍵をかけずに出てしまったり、

夏場だと窓を開けた状態のままでと、気を許してしまう方も多いのでは。

実は犯人はその油断を狙ってくるのです。

 

彼らは家人の生活パターンを観察しているうちに、侵入可能な時間を見つけているのです。

 

まとめ

犯人の目線で自分の家を眺めてみると、泥棒に狙われやすい家かどうかが、

何となく見えてくるのではないでしょうか。

 

これはとても大切なことです。

なぜなら自分では防犯に気を付けていたはずなのに、

空き巣被害に遭ってしまう方が非常に多いからです。

つまり、犯人目線での防犯対策をしていなかったわけです。

 

住宅侵入犯は、情報収集の「プロ」「専門家」だという認識が必要です。

真剣に防犯対策をしたいなら、まずは敵を知ること。

その上で自宅や周囲の状況に弱点がないか見極めることが正しい防犯対策の第一歩です。

まずは、自宅をしっかりチェックすることから始めましょう。

 

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