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自動車盗の4割が自宅で盗まれる!盗まれやすい車の所有者は要注意。

 

「朝、出勤しようとしたら愛車がない!」

「買い物から帰って来たら駐車場に停めておいたはずの車がない!」

 

2018年に全国で8,628件も発生した自動車盗。

1959年以来、59年ぶりに年間10,000件を下回ったとはいえ、

毎日20台以上の車が盗まれている事実をご存じだったでしょうか。

 

そして、そのうち盗まれた車が見つかる確率は、たった2割ほど。

たとえ戻ってきても、室内はグチャグチャに荒らされていることも。

キーをかけていても盗まれてしまうケースがほとんどです。

 

では、どんな手口で盗まれるのでしょうか。

そこには最新の車だからこそ盗まれてしまう驚きの実態がありました。

 

どんな車が狙われやすいのでしょうか?

愛車を守るのに有効な方法はあるのでしょうか?

まとめてみました。

 

犯人逮捕のニュースから見える自動車窃盗団の実態とは?

2017年8月に逮捕されたこの事件。

電子キーの車を狙った自動車盗を繰り返したとして、大阪府警捜査3課は3日、窃盗容疑などで大阪府東大阪市の男(42)ら5人を逮捕、送検したと発表した。トヨタ自動車のプリウスやアルファードといった車種を中心に計41台(総額1億3,000万円相当)の被害を裏付けたという。

(出典:https://www.sankei.com/west/news/170803/wst1708030085-n1.html

 

別の報道によると、逮捕されたのは「9人」だったとも言われています。

ここから自動車窃盗団の実態が見えてきます。

それは、自動車盗が組織化されているということです。

 

自動車はすべて陸運局に登録されているため、

簡単には転売などによって現金化することはできません。

もしも、転売しようとするならナンバーの付け替え、

車体番号の偽造、車検証の偽造などが必要です。

 

それらを一人ですべて行うことは難しいので、

窃盗団としてそれぞれの役割を担っているわけです。

 

それ以外にも、パーツなどをばらして部品として売るために、

解体業者とグルになっている窃盗団もいるようです。

 

例として、茨城県では自動車解体施設「ヤード」の届け出を義務化した

県独自の規制条例を2017年4月に施行しました。

この条例では、自動車を引き取る際に相手の免許証の写しなどの保存の他に、

ヤード経営者の氏名や住所といった届け出を義務付けました。

 

これを受けて、県警はヤードへの立ち入り検査を強化しました。

その結果、同県での自動車盗(未遂含む)認知件数は、前年同期比で330件も減少しました。

 

県警は「条例によって、盗難車を処分するルートの一部にくさびを打てた」と

コメントしています。

 

通常の空き巣と比べると、自動車が盗まれる時の被害額は大きく、

大阪府で逮捕された事件でも41台で1億3千万円相当と多額の被害になりました。

 

プリウスやアルファードなどは高値で転売できることもあり、

窃盗団にとっても人気車種となっています。

 

2018年のプリウス販売台数は115,462台。

窃盗団から見ると、現金が転がっているように見えるのかもしれません。

 

犯人にも人気のプリウス・ハイエース・ランクル。その理由とは?

トヨタ自動車は2017年2月に、

ハイブリッド車の累計販売台数が1000万台を突破したと発表しました。

 

ハイブリッド車の魅力は何といっても低燃費で騒音が少ないこと。

そのハイブリッド車の歴史をけん引してきたのがプリウスです。

 

そんな人気のプリウスですが、実は自動車盗にも人気の車なのです。

なぜ、プリウスが狙われるのでしょうか。

「盗まれやすい車ランキング」と共にその理由を解説していきます。

(※2017年11月時点でのランキングになります。)

 

第1位 プリウス

ハイブリッドの技術は国内外を問わず、人気があります。

 

トヨタ車は信頼のブランドであることに加えて、

ガソリンに種々の制約がある発展途上国では、

他社のハイブリッド以上にプリウスの人気が高いようです。

 

また、パーツとしての価値も高いのがプリウスです。

例えばハイブリッド専用のバッテリーは通常のバッテリーよりも高値で取引されています。

流通台数が多いということは、事故などによる中古パーツマーケットの需要も高いので、

部品取りのために盗まれることもあるようです。

 

また、ハイブリッド特有のモーターで駆動する「EVドライブモード」は、

低騒音で走行が可能です。

結果として窃盗団の深夜の犯行を手助けしてしまっている側面があります。

 

第2位 ランドクルーザー

海外での人気が高いランドクルーザー。

砂漠などの悪路での走破性の高さに加え、

富裕層に求められる高級感を満たしているところが人気の理由のようです。

 

特に中東では「ランクルでなければ車ではない」と言われるほど、

信頼性も高い車です。

理由として悪環境での車の故障が命にも関係することがあります。

 

トヨタの技術の結晶が、高い評価を受けるのも納得です。

 

第3位 ハイエース

現在180か国ほどで売られているハイエース。

積載量が多いことから移送手段として人気があります。

 

また、プリウス同様で流通台数が多いので、

フェラーリやベンツなど高級車と比べて、

盗難後の足が付きにくいのも理由の一つと言われています。

 

丈夫なエンジンと足回りも魅力で、車検のない諸外国では、

どれだけ古くても人気の車となっているようです。

 

一度、エンジンやパーツをすべて外しパーツとして輸出した後、

現地で再び組み立てられるケースも報告されていて、窃盗団の執念を感じます。

 

こうした理由から20年連続盗難車ランキング上位にハイエースが入っているようです。

 

第4位~第10位

4位 レクサスブランド

5位 スカイライン

6位 クラウン(系列車含む)

7位 アクア

8位 キャンター/フォワード

10位 マークⅡ/マークX(系列車含む)

 

となっています。

 

上位10位内のうち7車種がトヨタ系ブランドとなっています。

理由として販売台数が多いため、それに比例して被害件数が増えていると推測できます。

 

世界的に見てもトヨタ車は流通台数が多く、

盗難車を解体し現地で再び組み立てる際にも部品の調達がスムーズであったり、

組み立てに精通した人間が多いことなどがトヨタ車が盗難車市場で人気となっているようです。

 

盗難の4割が自宅で発生している!

下のグラフは、2017年度に日本損害保険協会が発表した

車両盗難発生場所の割合データです。

 

このデータによると、自動車盗難のなんと4割以上が自宅で発生していることが分かります。

また、契約駐車場でもほぼ同等の被害が発生しています。

長時間停車する駐車場は要注意ということになります。

 

こうした事柄から見えてくるのは、犯人たちが盗む対象に狙いを定めると、

入念な下見の上に確実に盗めるよう計画的な犯行を行っているということです。

その為にも自宅や契約駐車場のように、いつも決まった場所・時間に停車している方が、

行き当たりばったりの犯行にならずに、効率良く作業できるのです。

 

それで、盗まれやすい車の所有者は盗まれないための対策を講じる必要があります。

 

その手口は「リレーアタック」「イモビカッター」「積み替え」と年々巧妙に!

下のグラフは、盗難時の施錠の状態に関するデータです。

 

見て分かる通り、その94%がしっかりと施錠もしてあり、

キーも抜いておいたのに盗まれたという結果です。

 

では一体、犯人たちはどんな方法で車を盗んでいくのでしょうか。

その手口は年々と巧妙化しています。

 

リレーアタック

これは、国内外で今急激に流行している新しい手口です。

車に搭載されているスマートキーの仕組みを悪用した手口になります。

 

通常スマートキーから発せられる電波は、1~1.5mの範囲で車両センサーが感知して、

キーを解除したりエンジンを起動したりします。

ですから、車から少し離れると電波が届かず、エンジンも掛かることはありません。

 

しかし、スマートキーは絶えず微弱な電波を発しています。

「リレーアタック」とは、オーナーが車から離れた後、

一人目の犯人がオーナーに近づいてこの微弱な電波を増幅させ、

それを車の近くにいる仲間へ向けて発信。

 

その仲間が電波をキャッチして、

まるでオーナーのスマートキーが近くにあるかのようにして、

車のキーを解錠、エンジンをスタートさせて盗むという手口です。

 

下の動画は、その手口を分かりやすく説明しています。

ご覧ください。

 

イモビカッター

最近の車の70%に「イモビライザー」という盗難防止装置が標準装備されています。

 

その仕組みは、キーに埋め込まれた専用電子チップが発信するIDと、

車両側に設置された受信側IDが照合され、一致するとエンジンが起動するというものです。

 

キーのIDは暗号化されていて、その組み合わせは数百万通り以上になるため、

複製や別の鍵を持ってきて解錠することは不可能と言われています。

 

しかし、イモビカッターを使うと暗号をリセットして再設定が可能になり、

偽物の鍵でもエンジンを起動できてしまうのです。

 

本来は修理の際に自動車整備などで使われる装置ですが、

海外で模造品が出始め、一時はオークションなどでも取引されていたようです。

 

使い方もとても簡単で、わずか1分ほどでエンジンがスタートしてしまいます。

 

積み替え

最近の車両は電子制御されています。

この電子制御コンピューター(ECU)を、犯人が用意した別のECUに積み替えて

エンジンを起動するのが「積み替え」と呼ばれる手口です。

 

もともとはエンジンの燃焼や燃費をコントロールするための物でしたが、

近年ではキーとのペアリングなど自動車全体の頭脳の役割まで果たすようになりました。

 

やっかいなのは、このECUが比較的安価でインターネット通販で販売されていることです。

販売に違法性がないので、窃盗団にもこのECUが流れているのが現状です。

 

盗まれないための対策方法「プラウスワン対策」とは?

これまでに見てきた通り、犯人グループは盗む車種を数車種に選定します。

その後、盗みやすい環境にある車に狙いを定めます。

 

ですから、特に盗難車ランキングにノミネートしている車のオーナーは、

盗まれにくい環境にしておくことが重要です。

また、実際に盗まれにくい対策も講じておくと良いでしょう。

 

では実際にどんなことができるでしょうか。

日本損害保険協会は、複数の防犯対策を組み合わせる「プラスワン対策」を勧めています。

「イモビライザーロック」や「ホイールロック(タイヤ固定装置)」に加えて、

スマートキーと連動していない「カーセキュリティ」を組み合わせることなどです。

 

警察庁が防御策として有効としているのが「ハンドルロック」です。

金属製のロックをハンドルに取り付け、

専用の鍵で外さないとハンドルが回らず運転ができない仕組みです。

 

また、駐車場の環境としては、「防犯カメラ」や「センサーライト」などを

設置することで盗難させにくい環境を作ることができます。

 

泥棒が嫌がる4原則、

「時間」「光」「音」「目」を組み合わせた環境にすることで、

犯人に盗みを思いとどまらせる効果が生まれます。

 

まとめ

車両盗難は、空き巣などの家の侵入盗が多い地域で発生しています。

盗まれやすい車ランキング上位にはトヨタ車が多く、

中でもプリウスは最も盗まれやすい車です。

 

手口は様々ですが、家に侵入された際に貴重品だけでなく玄関に置いてある

自動車の鍵や車庫の鍵を持ち出され盗まれるケースも多く発生しています。

 

自宅の防犯対策プラス車の防犯対策も必要ですね。

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