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なぜ愛知県はドロボウ天国なのか?ドロボウを引き寄せる3つの理由とは?

空き巣被害件数13年連続(平成17-29年)ワースト1位の愛知県。その実態はまさにドロボウ天国!

でも、愛知県民の意識調査では「防犯に気を付けている」と答える人がほとんどです。

 

では、なぜ愛知県は空き巣被害が多いのでしょうか?

調べてみると、そこにはドロボウを引き寄せる3つの理由が。

 

愛知県民も自分の「防犯意識は高い」と公言はしている

日中家を守ることの多くなるのが主婦。

そこで愛知・大阪・東京に住む20代~60代の主婦1500人を対象にした

株式会社リクシルの防犯意識に関する調査しました。

 

それによると6割以上の主婦が、

自分の防犯意識は「高い(高い+まあ高い)」(62.5%)と回答しました。

また、普段行っている防犯対策を聞くと「施錠の確認を行う」(64.0%)、

「近所の人とあいさつをする」(55.5%)、「窓を開けて寝ない」(36.6%)となっています。

    

         【愛知・大阪・東京での防犯意識調査】

 

3大都市に愛知県が入るのかどうかは別として、

東京・大阪と比べても愛知県民の「防犯意識」は決して低くはないようです。

              【防犯対策として行っていること】

 

なのに…毎年ワースト1位の現実

しかし、現実は甘くないようです。

平成19年から平成28年まで住宅への侵入被害件数は、

全国ワースト1位を10年も記録してしまいました。

 

しかも、平成28年のワースト2位との差は約900件。

この差は年によって変化しますが大体毎年ダントツであることは変わりません。

 

愛知県にドロボウを引き寄せる3つの理由とは?

では、なぜ愛知県は毎年ドロボウ天国なのでしょうか?

それには、愛知県特有の3つの理由があるようです。

 

その3つの理由とは。

  1. 愛知県の道路事情。
  2. 愛知県民の経済事情。
  3. 現実に目を向けない愛知県民。

それでは、それぞれを詳しく解説していきたいと思います。

 

「逃げやすい」を実現させる愛知県の道路事情とは?

ドロボウが考えていることの半分は「どう盗むか」。

残りの半分が「どう逃げるか」であると言われています。

 

ですから、逃げやすい環境が整っていればいるほど、

ドロボウにとっては仕事がしやすい現場ということになります。

 

その点を踏まえて下の地図をご覧ください。

(※画像をクリックすると、拡大表示されます)

        【国土交通省提供 はしりやすさマップ(愛知県版)】

 

この地図は「走りやすさマップ」と言って、道路の幅やカーブの大きさ・多さなど

道路構造に関する走りやすさを一目でわかるように作成されたものです。

走りやすさは6段階に色分けされていています。

 

水色(S)はとても走りやすい道路です。

2車線以上の道路で、5キロ以上にわたってカーブ・勾配がゆるやか。

路肩も広く、歩行者がほとんどいないか、歩道と車道が柵で分離されている。

主要な道路との平面交差が平均して1個所/㎞以下。

 

緑色(A)は走りやすい道路です。

2車線以上の道路で、カーブ・勾配がゆるやか。

歩道もしくは広い路肩があるというのが条件になります。

 

このマップを見ていただくと直感的にわかると思いますが、

愛知県の道路はこのSとAの道路網が発達している様子が確認できます。

 

平成28年、愛知県で一番侵入盗被害が多かったのが一宮市です。

一宮の道路事情を見るとやはりSやAの道路が多くまた、

そこにつながる道路も「走りにくい」で表される赤色の道路が少ないことが分かります。

 

ちなみに犯罪件数の多さでは大阪府も有名ですが、

大阪の場合は一方通行の道路が多いためか「ひったくり」が多いと言われています。

やはり、犯罪の種類も「ところ変われば何とやら」なのでしょうか。

 

どちらにしても仕事やしやすい職場(逃げやすい現場)には、

全国から仕事を求めて労働者(ドロボウ)がやってくるという理屈です。

 

日本一タンス預金の多い愛知の経済事情

愛知県民の県民性を解説した「PRESIDENT PLUS 2013年5月15日号」によると、

愛知県のタンス預金率は全国でダントツ1位だとか。

 

その背景には尾張藩が勤倹貯蓄を奨励した歴史があるようです。

その影響か保守的でケチ、堅実で実利性に富んでいるのが特徴。

 

また、他人を信用しないから、貯め込んだお金も自宅で保管する人が多数だそうです。

人口一人当たりの所得は304万円/年。金持ち度は5段階中の星5つ。

金持ち度は男性が游興費に使用できる額の平均から算出されているようです。

装飾品の金色、カネなどピカピカ光るものが大好きという分析も。

 

では実際の被害の実態はどうなっているかというと、

平成27年の被害総額は49億3900万円。

そのうち現金被害はなんと約10億5800万円。

一件当たりで直すと約100万円うち現金が21万円盗まれているのが現状です。

              【平成27年度 被害総額】

 

これは平均の数字ですから、やはりタンス預金がある家にはあるのが現実です。

また、現金化できるブランドバックや財布・貴金属・宝石なども、

お金持ち度「星5つ」の愛知県にはゴロゴロしているわけです。

 

「防犯意識が高い」と自認する割には現実に目を向けない

前項で述べた「ケチで保守的」な県民性が影響しているのか、

できれば防犯対策にはお金をかけたくない人が多いようです。

 

防犯対策セミナーなど開催すると多くの方が、

「ドロボウに入られるのは嫌だけどいつ来るか分からないし、

狙われるかもわからないことの為にはできればお金はかけたくない。

やるとしても少しでも安く済ませたい」と言うセリフを耳にします。

 

愛知県警の方ともお仕事をさせていただくのですが、

その際に東京と愛知の防犯意識の差に関して興味深いお話をお聞きしました。

 

東京都民にとってドロボウに入られると言ったら「命を狙われるかもしれない」

という意識に対して、愛知県民の場合、そこまでの危機感を持っている人が少ないそうです。

「うちなんか盗まれるものないから」とおっしゃる方が本当に多い

せっかく防犯に関する啓蒙活動をしても「糠に釘」「暖簾に腕押し」という

ケースがよくあるとの事。

 

これに関しては、実際のデータで証明できるものではないのですが、

私たちの経験からしてもあながち間違いはないのではと思います。

 

一方で「自分の防犯意識は高い」と自認する人も、ドロボウ目線で

防犯対策していない人が多い現実があります。

 

例えば「防犯対策として行っている事」の1位は、「施錠の確認を行う(64%)」

となっていますが、実際には施錠されていてもドロボウは窓ガラスを割り、

解錠して侵入してくるわけです。

 

つまり、防犯対策と思っている事も詰めが甘い家が多いわけですね。

 

他にも住宅事情と共働き世帯が多いことも重なり

これまでの要素に加えて、新興住宅地の増加とそれに伴う共働き世帯が多いことも、

愛知県がドロボウ天国になる理由かもしれません。

 

共働き世帯ランキングでは全国3位で782,660世帯。

一方で一戸建て住宅率は東京の28.4%に比べて51.1%と倍近く多いようです。

新しい住宅が集まる新興住宅地では核家族が多く、親は仕事、子供は学校か幼稚園に。

必然的に留守の家が多くなります。

 

加えて、近所付き合いも浅いため見知らぬ人が街にいても不自然さがありません。

新築工事や道路工事なども盛んなので作業服姿の人間や、

多種多様な営業マンが新しい街には溶け込んでいるため、

スーツ姿や作業服スタイルのドロボウも全く目立ちません。

 

まとめ

以上、ドロボウを引き寄せる条件が愛知県には整っているようです。

 

・トヨタ自動車のお膝元である愛知県は、車社会が成り立っており、

 道路網もよく整備されています。

・経済状況も比較的安定しているので裕福な方が多いイメージもあります。

・土地開発は活発なため、新しい街がどんどんと出来上がり、

 一戸建て住宅を購入する若い世代も多く見られます。

・一方で新築は買えたけど、防犯対策まではお金が使えない人も多いという現実も。

 

まとめるとこんな要素がドロボウに好まれてしまう原因なのでしょう。

 

さて、愛知県だけが危険で他県が安全かというとそうではなく、

愛知県と同じような傾向にある地域はやはりドロボウに狙われやすいと言えます。

また、自分の知らない間に周囲の環境が変化していることもあります。

 

大切なのは、一人一人の防犯意識の向上と正確な情報に基づく防犯対策です。

今一度、ご自分の生活環境も見直してみてくださいね。

 

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