盗まれるものはお金だけではない!空き巣が生み出す4つの被害とは?
「自分の家は入られても盗られるものないし」とか、
「自分は狙われないから大丈夫」なんて思っている方はいませんか。
「防犯対策なんてまあ泥棒に入られたら考えよう」なんて甘い考えのあなた。
「予防は治療に勝る」と言われます。
防犯対策も同じ。
でもその為には、空き巣に入られるとどんな悲劇が待っているのか知ることも大切です。
実は空き巣に遭うと今までに経験したことのないストレスを抱えるようになります。
お金や物を盗まれるのも悔しいですが、それ以外の被害とは?
第一の被害は、「現金」と「物」の実害
まず、第一の被害は実際に盗まれる「お金」や「物」です。
現金の被害額は1件当たり約20万円となっています。
現金の匂いをかぎ分ける特殊能力が泥棒にはあるのかと思わせるほど
犯人たちは現金のありかを見つけるのが上手です。
ある被害者はボーナスの60万円を2階に同居する両親の部屋に隠しておきました。
被害に遭ったのはまさにそのボーナス日の夜。
家族で外出し食事を楽しんで帰宅すると空き巣被害にあっていました。
なんと犯人は他の場所には目もくれず、その現金だけを奪って行ったのです。
情報がどこからか漏れたのかもしれませんが、この犯人の嗅覚には驚きます。
現金の他には表のような被害品が報告されています。
多額の現金がなくても、ブランドバックや財布、貴金属、
宝石、時計など現金化しやすい物も盗まれます。
盗品専門の買い取り業者に売られたり、
ネットオークションに出品されることもよくあります。
通帳やカード類が盗まれると、被害者に気づかれる前に現金化されてしまいます。
銀行印や身分証明書も同じような場所に保管されていることが多いので、
一緒に盗まれてしまいます。
現金化するのは盗んだ犯人ではなく、「出し子」と呼ばれる専門の犯人が
担当することが多いようです。
10位に入っている衣料品類には下着が含まれています。
下着専門の空き巣犯もいて、犯人の自宅から大量の下着が押収された
というニュースが時折報道されます。
この種の犯人は自分の性的欲求を満たすため「変質者」の類に入ります。
このような犯人は下着と一緒に写真も盗むことが多いようです。
また、「使っている歯ブラシ」や「排水溝の毛」がなくなっていた
という例も報告されています。
第二の被害は、「物色」で荒らされる室内
実際の被害者の声をご紹介します。
❝貴金属、時計、ブランド品すべてやられました(300万相当!)。しかし、刑事さんに家電製品まで窃盗されなかったのは不幸中の幸いと言われました。ですが3階建ての4LDKのありとあらゆる戸が開けられて、家の中はサスペンスドラマのように荒らされていました。❞
❝泥棒って土足で入るんですね。足跡があちこちにあってそれが一番ショックでしたね…。❞
空き巣被害に遭うと、室内はサスペンスドラマのような悲惨な状況になります。
短時間で済ませたい犯人は目を付けたところから手当たり次第に物色を始めます。
「綺麗に」とか、「丁寧に」「元に戻す」なんてことは犯人には毛頭なく、
「めっちゃくちゃ」に室内を荒らしていきます。
地震が起きたのかと錯覚してしまう方もいます。
「人の心に土足で踏み込む」という表現があるように、
室内に靴を脱いで上がる習慣がある日本人は、
土足で部屋にあがられたということに相当のショックを感じるようです。
荒らされた室内の清掃や原状回復に時間を奪われることになります。
また破壊された玄関ドアや窓ガラスの修理も同時に手配しなければならず、
これらのために身体的、経済的、精神的な疲労を経験しなければならなくなります。
第三の被害は、ふつふつと湧いてくる悔しさと恥ずかしさ
自分が空き巣被害に遭ったことに気づくと、まずその瞬間、
血の気がスーッと引くのを感じることでしょう。
そのあと頭が混乱し軽いパニック状態になります。
すぐに警察に電話し、そこから警察の事情聴取と現場検証が始まります。
すると、自分がどれだけの被害に遭ったのかに少しずつ気づき始めます。
「あれがない!これもない!」と盗まれた物や被害が明らかになります、
現金が盗まれた場合、多額になればなるほどショックも大きくなりますが、
ブランドバックや宝石類といった思い出の品が盗まれた時のダメージは、
現金の何倍にもなると言われています。
その感情はふつふつと湧いてきて、「お金はいいから思い出だけでも返して」とか
「大切な形見だったのに」と悔しい思いを経験するようになります。
同時に自分がどれだけ「間抜け」だったのかという悔しさも味わいます。
また、同時に恥ずかしい思いもしなければならない被害者の方もいます。
例えば、女性の一人暮らしばかりを狙って犯行を繰り返していた元犯人は、
まずは「下着」を入れたタンスを探したそうです。
下着を盗む目的もありますが、生理用品などを入れたポーチに、
通帳やハンコなどが一緒に隠されていることが多かったからだそうです。
そして、押し入れなどを開けて写真のアルバムがないか探し、
写真を一枚だけ抜き取っていたと証言しています。
泥棒はプライバシーまでも盗んでいくと言われています。
一人暮らしの女性でなくても、そのようにして自分たちのプライベートを
見ず知らずの泥棒に知られるというのは気持ちの良いものではありません。
第四の被害は、これまでに経験のない怯えや恐怖の感情
この被害についても実際の被害者の声を聞くのが分かりやすいのでご紹介します。
❝警察には遭遇して命の危険にさらされなくてよかったと言われましがやはりそんなことではとても精神は安定しませんでした。数カ月は外出も嫌だったし、かといって家にいるのはもっと嫌でした。完全にうつ状態でしたね。親戚にいる警察関係の人に相談したり、きちんと話を聞いてくれる人を見つけてきいてもらったりしました。❞
❝でも、やっぱりトピ主さんがおっしゃるように他人が家の中に入ったという「気持ち悪さ」の方が強く、家にいても物音がするたびにドキドキしました。精神的ショックは本当に、しばらくは後を引くと思いますがそれでも、やっぱり「命を落とさなくて良かった」と思うしかないと思います。❞
❝防犯グッズをかなり揃えたのですが、まだ安心できません。ドキドキが収まりません。時間が経ちましたが、正直気持ちが落ち着きません。いくら防犯対策をしても、し足りない気がします。毎晩、犯人が戻って来るような気がします。精神科で薬を追加してもらいましたが効きません。どうすれば心が落ち着きますか?時間が経たないと無理でしょうか?❞
❝一人暮らし、盗まれた日の夜から暫くは包丁をベッド近くに置き身を守りました。外出ですれ違う車、男性、道路向こうに止まっているトラックなどすべてが疑わしく見えましたよ。頻繁に担当刑事さんに電話してました。「今道路に止まってるトラック怪しい!」とか。。あの頃は精神状態が不安定だったのでしょう。❞
出典:空き巣被害に遭いました:生活・身近な話題:発言小町:YOMIURI ONLINE
いかがでしょうか?
たとえ身体的な危険や危害がなかったとしても、
精神的なショックがとても大きいことが分かります。
帰宅時に玄関ドアを開ける時、
「また泥棒がいるのではないだろうか」と心臓がドキドキする。
「眠っている間に侵入されたらどうしよう」と、バットや包丁を枕元に置いて寝る。
家を出ると「また下見をされているのではないだろうか」と、
見知らぬ人が泥棒に見えてくる。
この様に空き巣による第四の被害は、
空き巣を経験しないと感じることのなかった怯えや恐怖の感情なのです。
時には命を失うことさえも
4つの被害には含めませんでしたが、時には命を失うことさえあることを
最後に取り上げたいと思います。
「侵入盗」を企てる犯人は基本的に盗みが目的であって、
人殺しまでは考えていません。
だからと言って万が一犯人と鉢合わせしても安全なんて保障はどこにもありません。
むしろ命を失う危険性さえあるのです。
その一例が未解決になっている「千葉市都立高校教諭強盗殺人事件」です。
❝1997年2月8日午後8時半頃、千葉市若葉区みつわ台の自宅の庭先で東京都立小岩高等学校に勤める男性教諭(当時60歳)がジャージ姿で胸部を刺され、うつぶせになって倒れて死亡しているのを帰宅した妻(当時57歳)が発見した。事件当日は休日で、被害者が一人で自宅にいたところへ空き巣に入られて物色中の犯人に被害者が襲われて胸部を包丁で突き刺して殺害されたものと見られている。自宅の1階と2階には物色したような跡があり、空き巣強盗と見られている。警察のその後の捜査により、犯行時間は午前11時頃と見られる。遺体には胸部に刺された痕があり、近くには犯行に使用された包丁が落ちていた。被害者は、事件の1か月後に生徒の卒業とともに自身も定年退職を控えていた中での惨劇であった。❞
空き巣から殺人に発展するケースは少ないとはいえ毎年何件か報告されています。
空き巣と強盗殺人は紙一重の犯罪だという認識が必要ですね。
まとめ
「自分の家には大したものはない」「入られても盗まれるものはない」と思っておられる方へ。
確かにその通りかもしれません。
しかし、泥棒は盗めるものが分かっていて侵入するわけではありません。
ですから、盗られるものが有る無いに変りなく侵入されるかもしれないリスクは
どの家にもあるのです。
そして、もしも犯人に目を付けられると、
経験する必要のなかった悲劇があなたとあなたの家族を襲うことになります。
被害に遭う前に、有効な対策を取ることをお勧めします。
「予防は治療に勝る」のです。